のび太の後期研修医日記

人の幸せを願い、人の不幸を悲しむことのできる医師への道


研修医生活 医学関連

コウノドリ -2nd season- 第4話 研修医目線の感想

投稿日:2017-11-05 更新日:

今話題の医療ドラマ『コウノドリ』。ちまちまと出来る限り感想をアップしていきたいと思います。

今回は第4話です。バックナンバーはこちらからどうぞ。

1stシーズンはAmazonプライムビデオで配信中。無料体験することができます。

コウノドリ1st seasonはこちらから!

 

スポンサーリンク

 

Contents

TOLACのお話

Trial of labor of after cesareansection(帝王切開後経膣分娩試行)というものが最近ではあるそうです。恥ずかしながら僕は全然知りませんでした。

帝王切開後の妊婦に子宮破裂のリスクが高いのは国試でもよく聞かれる知識です。

ギリギリまで経膣分娩で粘ってみて、難しいなら帝王切開に移行する。。。なら最初から帝王切開でええやん!と言われそうですが、経膣分娩で産みたいという妊婦さんはたくさんいるそうです。

「お腹を痛めて生むことで母としての愛情が生まれる」という人も少なからずいるのでしょう。ちょっとスピリチャルな気配がしますが、人によって解釈モデルは様々。1人の子どもを「帝王切開」「経膣分娩」の両方で産むことはできないので、両者を比較することはできません。純粋に医学的に安全を追求すると帝王切開を選ぶことになるのでしょうが、帝王切開だと愛着形成障害でると妊婦さんが信じているのならば(実際はそんなことないんでしょうけど、)経膣分娩にトライすることになるのでしょう。ただ、その分危険は伴います。

TOLACに成功して経膣分娩できたエピソードではなく、最終的に帝王切開で産むエピソードであったことに、台本を書いた人なりの配慮が見え隠れする気がします。出産の方法としては結局は間を取った形になりますから、、、

このドラマが放映されて、TOLACに関して全国的にどのような影響がでるのか気になります。

 

スポンサーリンク

 

研修医の微妙な立ち位置

研修医は科によって「戦力扱いされる」こともあれば「お客さん扱いされる」こともあります。今回のドラマで登場される研修医にとって産婦人科はどちらかと言うと「お客さん扱い」の方。確かに外科に関しては、研修医は外科志望でもないかぎり手術を直接することはなく、病棟管理がメインになるため、「お客さん扱い」になりがち。要するにいてもいなくても変わらないので、dutyが終われば帰れちゃうのです。

 

研修医というと多忙を極めるイメージですが、ローテーションによって「しんどい科」「ラクな科」の双方があります。全部が全部「しんどい科」だと、潰れてしまいます。科が変わるごとに研修医は人間関係を築き直さないといけないので、大変。ラクな科のときはラクをするのは悪くはないのでは、と思います。

どの科がしんどくて、どの科がラクかは、研修医間で綿密に情報交換されています笑

 

スポンサーリンク

 

医者の中で「おめでとう」と言えるのは産婦人科医だけ

というわけではなく、新生児科医もよく言っている気がします。

新生児仮死の状態で生まれてくると、さすがに産婦人科医でもおもでとう、とは言いません。蘇生に成功してはじめて、お母さんの傍に子どもを連れて行って新生児科医が「おめでとうございます」というイメージ。

ドラマにちょっとだけいちゃもんをつけてみました笑

 

ランキングに参加しています。他にも『研修医』『医師』をテーマにした面白いブログがたくさんあるので、よろしければクリックいただけると幸いです!
にほんブログ村 病気ブログ 医者・医師へ
にほんブログ村

研修医ランキング

 



 

 

336*280

336*280

-研修医生活, 医学関連

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

研修医が受講できる講習会5:FCCS

研修医を対象とした医療関係の講習会がいくつかあります。メジャーなものに関して数回に分けて紹介してみたいと思います。一部は学生さんも受講可能です。 今回ご紹介するのは、FCCSです。   スポ …

「患者さん少ないといいね」と当直で上級医に言われたら日に限って・・・

By: ER24 EMS (Pty) Ltd.   当直する時に上級医の先生に「今日は患者さん少ないといいねー」「今日は平和やといいねー」と言われることがあります。 「そうですねー。今日も平 …

精神科ローテはこの1冊で乗り切ろう

初期研修で義務付けられている精神科研修。 精神科を専攻しようと考えている研修医以外の医師からすると、いわゆる「息抜き」の期間としている場合が多いかと思います。   将来自分で治療するであろう …

「研修医当直御法度」が身に染みるようになってきました

早いもので医者になってもう7ヶ月が経ってしまいました。   4月にはこんな情けない記事を書いていました。 研修医当直御法度は4月に読むにはちょっと難しい   スポンサーリンク &n …

子宮頸がんワクチンにみる国民性

いわゆる「子宮頸がんワクチン」に関して、BMJでこんなコメントを見つけました。   “Teenage boys shouldn’t be given HPV vaccine, s …

doctor_dog

doctor_dog

プロフィール

名前:のび太
とある国公立大学を卒業し、とある病院で働いている臨床研修医。2019年〜小児科後期研修医、2017-2019年初期研修医。研修医になって見て感じたことを記録に残したくてブログをはじめました。のび犬じゃないよ笑

※当ブログに掲載している情報、特に医学的情報は医学を勉強途中の研修医の意見に過ぎません。その点を留意の上お読みくださいませ。

twitterのフォローはこちらから!