今話題の月9ドラマ『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』の感想を書いていきたいと思います。
今回は第4話。バックナンバーはこちらよりご覧ください。
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拡張型心筋症の子どもたち
今回のストーリーでは上記疾患の子どもたちが登場し、一人が心破裂により亡くなります。根治的な治療法は移植しかないのが現実です。エピソード中ではECMOを回して、バルパン(IABP)入れて、輸血も大量にして、、、と手を尽くすのですが亡くなってしまいました。
文字通りドラマチックな光景が描かれていましたが、「よくあることだよなぁ」と感じるようになっている自分がいます。へっぽこ研修医でも、現場に入って早4ヶ月。こんな場面に多々遭遇しているのだな、と改めて実感しました。
「現実は常に想定を超えてくる」
「事実は小説より奇なり」ということわざがある通り、医療者の想定を超えた出来事がしばしば起こります。教科書やマニュアルを読んで一生懸命勉強して、シミュレーションしても、なかなかどうして想定外のことは起こってしまうものです。
エピソード中に、
医者は負けず嫌いだ。でも、どんなに考え尽くしても患者に適した医療が見つからない時、それは医者の負け。
というセリフがでてきます。
確かに、医者って基本的には負けず嫌いやなぁ、と思います。振り返れば、多くは中学受験を勝ち抜き、程度の差はあれ難易度の高い大学に入学し、全員が全員進級できるわけではない医学部のカリキュラムを乗り越えてきた人種が医者です。
負けず嫌いあるいはプライドが無駄に高い人がたくさんいます。もちろん個々人で程度の差がありますが、厄介やなぁ、と思う上級医が少なからずいるのも事実。
ただ、医者が「負けず嫌い」であることは患者さんにとっては悪いことではないとも思います。「考え尽くす」ことなくさじを投げられてしまったら、たまったものではありません。あんまり素直に負けを認める医者も考えものかなぁ、と思います。
負けじゃない。医者が提供するのは医療だけじゃないから。誰かを勇気づけたいときは、笑ってあげたらいい。医者が見せる不意の笑顔は、案外手術や薬よりも患者の心を癒やすのかもしれない
というセリフもありました。正直なところ「いやぁ、これは山Pが見せる笑顔やから癒しになるんやろー笑」とちょっと思いました。もっと僕自身が経験を積んで、自分の医療に自信をもてるようになったら、このような形の癒やしも与えられるとええなぁ、と思います。
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「いつからだろうなぁ。医者が患者に大丈夫だと言えなくなったのは。」
こんなセリフもドラマ中にありました。
救急外来で検査をして患者さんを帰そうと思うとき、「大丈夫ですよ」と明言できない自分と重ね合わせて、このセリフを噛み締めました。
僕は、「一通り検査をさせていただいて、大きな異常はありませんでしたので、今日は帰宅して大丈夫だと思います。また症状が増悪したり、新規症状が出現した際には受診してください。」とだいぶ濁した説明をして患者さんに帰宅いただくようにしています。
きっぱりと「大丈夫ですよ」と言うことはできず、太字で強調したような、ちょっとあいまいで、ともすれば医療者が責任のがれをするような説明をいつもしてしまいます。
医療訴訟が頻繁におこるようになった現代では難しいことかもしれませんし、そもそも僕自信の知識・技術・経験がまだまだ未熟なのでどうしようもないことですが、患者さんにはっきりと「大丈夫ですよ」と言えるようになりたいなぁ、と思いました。
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