心エコー検査は略語のアルファベットが多く、苦しむことが多いです。
略語と基準値をまとめてみたのでご参考までに。自分自身へのための備忘録でもあります。
定評のある参考書は↓の本です。研修医の先輩や技師さんにおすすめされました。医学書にしてはそこまで高くないので、1冊あると便利かもしれません。
そうだったのか! 絶対わかる心エコー〜見てイメージできる判読・計測・評価のコツ
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Contents
LVDs/d Left Ventricular Dimension (systole/diastole) 左室収縮/拡張末期径
LVDd 30-55mm程度 LVDs 20-30mm程度が正常。
IVST InterVentricular septum thickness 心室中隔
PWT left ventricular Posterior Wall Thickness 左室後壁厚
いずれも12mm以下。だいたい同じ大きさ。13mmを超えてくると左室肥大疑い。肥大型心筋症や慢性心不全による心肥大など。
FS Fractional Shortening 左室径短縮率
FS= ( LVDd – LVDs ) / LVDs × 100 [%] で計算する。0.30以上が正常。
EDV End-Diastolic Volume 拡張末期容量
ESV End-Systolic Volume 収縮末期容量
Simpson法などによって計算。最近は3D心エコーも登場してきており、より正確に計測できるようになってきているらしい。個人差が大きく一概に正常値は言い難いが、EDV 90 -140mL、ESV 30 – 95 mLくらい。
SV Stroke Volume 一回心拍出量
SV = EDV – ESV で計算する。60〜130mm程度が正常値。アスリートだともっと大きくなる。
EF Ejection Fraction 駆出率
EF = ( SV / EDV ) × 100 [%] = ( EDV – ESV / EDV ) × 100 [%] で計算する。
50%を切ると心機能低下があると評価する。
LAD Left Atrial Dimension 左房径
40mm以下が正常。超えてくるとMRやMS、右→左シャントなど左房負荷がかかる疾患があるかもしれない。厳密には LAD / AOD 比が1.2以上になった場合を左房拡大ととるらしい。PADの重症度判定に用いられる。
RVD Right Ventricular Dimension 右房径
35mm以下が正常。あまり計測されることはない。超えてくると、肺高血圧や左→右シャントなど右房負荷がかかる疾患があるかもしれない。
AOD Aortic dimension 大動脈径
35mm以下が正常。超えてくると実は瘤があるかもしれないので注意。胸部Xpで左第一弓が突出してないかチェック。
IVC Inferior Vena Cava 下大静脈径
呼吸性変動がみられる。呼気時に20mm以下が正常。吸気時にはだいたい16mm以下になる。全身の血管内volumeの目安となる。熱中症などで脱水になるとIVCは虚脱する。また心不全となると呼吸変動が消失する。
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大動脈弁に関して
PPG Peak Pressure Gradient 最大圧較差
大動脈圧と左室圧の差のうち最大のもの。簡易ベルヌーイ式で計算することも。40mmHgを超えると重症AS。手術適応となる。手術できないことも多いが。。。
AVA Aortic Valve Area 大動脈弁弁口面積
大動脈の弁口面積。1cm2以下となると重症AS。手術適応となる。手術できないことも多いが。。。
三尖弁に関して
TR-PG TRicuspid Pressure Gradient 三尖弁圧較差
三尖弁前後の右房・右室の圧較差。TR-PGの最大値が肺動脈圧と相関すると言われており、PAHの診断に有用ではないかとも言われている。
とりあえず日常でよく使うのはこんなもんでしょうか。間違いなどがあったら教えていただけるとありがたいです。
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