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救急当直をして思う

UzbekIL / Pixabay

救急当直はどの病院でも研修医の大事なお仕事の一つだと思います。ある意味、病院の中ではお荷物的存在である研修医が、病院へ貢献できる貴重な場面が「救急外来」であるとも言えるでしょう。

ぼくも4月から何回か救急外来に立たせていただいて、当番のたびに昼間とは違う病院の姿に驚きます。

まず、患者さんを診るときの医師のマインドが、

「患者さんの疾患を正確に診断する」

のではなく

緊急性のある疾患を除外し、できるだけ帰宅・翌日再診していただく

に変わるんやなぁ、と感じます。

例えば、頭痛の患者さんが来られたのであれば、ひとまず緊急性の高い二次性頭痛(くも膜下出血や髄膜炎など)をできるだけ素早くrule outし、鎮痛剤を処方して帰宅していただこう、と考えます。すなわち、緊急度の高い頭痛が否定され、一次性頭痛だと思われる場合、緊張性頭痛なのか偏頭痛なのか群発頭痛なのか、などということはそこまで重視されません(もちろん考えはしますが)。とにかく緊急性のある二次性頭痛を否定することに心血を注ぎます。

 

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日中の病院では、検査を積み上げて、鑑別を挙げ、そこから最も疑わしい病気を考える、という思考回路で診療していくのに対し、救急外来では「除外すること」に頭を使います。

 

研修医としてまず身につけるべきことは、「症状」に対して「除外すべき疾患」をまず覚えること。例えば、「胸痛」の患者さんについては「心筋梗塞」「大動脈解離」「肺動脈塞栓症」「緊張性気胸」を除外する、というように、「症状」ー「除外すべき疾患」をスラスラ出てくるようにしたいものです。

 

正直なところ、まだまだ「カンペ」を見ながら当番をしている、というのが現状です。。。

例えば、こんな本を見ています。

 


一般総合内科の外来でも使えるマニュアルです。「症状」に対する鑑別疾患が挙げられており、緊急度も示されています。そして、鑑別をどのように進めていくかフローチャートで示されており、非常に分かりやすいです。

 

患者さんの前に出るときに「マニュアル」なんてものを読んでると非常に心象が悪いので、人目につかないように「こそっと」読んでいます。いつの日かマニュアルがなくてもある程度の対応ができるようになりたいものです。

 

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のび太:

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