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めまい診療でめまいを起こさないために読む1冊

救急外来で当直をしていると、よく来られるのがめまいの患者さん。

大多数はBPPVを代表とする末梢性めまいなので心配はいらないのですが、時々小脳梗塞や脳幹梗塞等による中枢性めまいが紛れ込んでくるので油断なりません。

 

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Contents

めまいの分類は難しい

研修医向けのマニュアル等でめまいは、

  • Dizziness(浮動性めまい)
  • Vertigo(回転性めまい)
  • Light-headedness
  • Presyncopy(前失神)

に分類して考えると良い、と書かれています。確かにPresyncopyは全く別物なので分けて考えるとよいとは思いますが、

ぶっちゃけ浮動性めまいと回転性めまいの区別とかつかねーよ

というのが本音かと思います。

そもそもめまいの患者さんは、体位変換で嘔吐する場合もあるため、診察をすることすらままならないことが多いですよね。

 

めまいをクリアカットに説明する1冊

こんな悩みを先輩に相談した時に勧められたのがこの1冊です。

この本が優れている点は、帯にしっかりと書かれています。

1. めまい診療の道筋がフローチャートできっちりと示されています。

2. めまいに関する典型的な疑問に答えてくれています。

めまいは病歴から診断できるか?

中枢性めまいの頻度、見分け方は?

画像検査はどのタイミングで行えばいいか?

3. QRコードによる動画配信を行っています。例えば、BPPVの眼振やその整復法であるEpley法が動画で分かりやすく示されています。(上の写真のように、本文中にQRコードが示されています)

 

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そもそも眼振を正しく記述することすらままならない研修医

僕ら研修医は、そもそも眼振を正しく記述することすらできません。

「右向きの眼振」「左向きの眼振」

と書くことは出来ますが、

「方向交代性下向性眼振」「方向固定性眼振」

とはなかなか書けませんし、そもそもどんな眼振かイメージすらできないかと思います。

この本の優れている点は、QRコードで画像配信されており、具体的に眼振をイメージできる点。しっかり読み込めば、明日から救急外来で、眼振を正しく専門用語で表現できるようにできます。(ぶっちゃけ「ちょっとかっこいい」という自己満足に過ぎないかもしれませんが。。。)

 

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この本を読むことでちょっとだけめまい診療に自信がつきました

この本には中枢性・末梢性めまいを含めた「めまい診療」のフローチャートが示されています。

今までは、なんとなくプリンペランとメイロンを点滴して、落ち着いたらそっとCTを取りに行って出血がないことを確認、歩いて帰れそうなら帰宅、歩けないならMRIを撮影して梗塞がないことを確認、梗塞がない場合は頑張って帰宅、、、というなんともお粗末な診療をしていたのが正直なところですが、きっちりフローチャートを意識して診療できるようになりました。多くの患者さんはそもそも末梢性のめまいですし、頭部CT, MRIを撮影すれば満足してもらえるので、以前の診療でも間違ってはいないのですが、「中枢性めまい」の診断が遅れてしまう懸念がありました。

たとえ吐いていてもめまいが回っていても、脳出血によるものなら患者さんが多少つらくてもCT, MRIを直ちに撮らなければなりません。そのため中枢性を疑う身体所見・神経学的所見について知ることは非常に重要です。

「眼振」といった身体所見・神経学的所見についても理解が深まったため、多少侵襲があっても、きちんと所見を取りに行こうと思えるようになりました。「どうせ吐かせちゃうだけだからなぁ」と思っていたのが、「吐いてもいいから、診察の重要性を説明して、中枢性を否定できるならちゃんと所見をとろう」と思えるようになりました。(吐かないに越したことにはないですが)

 

そんなこんなで、この本は研修医のニーズに合った名著だと思います。是非一度手にしていただけると幸いです(*^^*)

 

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