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コウノドリ -2nd season- 第5話 研修医目線の感想

今話題の医療ドラマ『コウノドリ』。ちまちまと出来る限り感想をアップしていきたいと思います。

今回は第5話です。バックナンバーはこちらからどうぞ。

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Contents

なんだかんだで優しい四宮Dr.

緊急帝王切開で出産した動脈管開存症(PDA)の赤ちゃん。ご両親が手術を拒んでいて「手術してまで助けたいとは思わない」とまで言うのを聞いて、自分が帝王切開術をしたこと、十分な説明を行えなかったことを後悔する下屋Dr.。そんな下屋Dr.にプリンをあげる光景に、四宮Dr.の優しさがあると思います。そして、ご両親に手紙を書き詫びようとするのを止めもせず「お前はもう研修医じゃない」と言います。

 

こんな感じの上級医、たまにいるなー、と思います。上っ面はすごく厳しくて、でもところどころの所作に優しさが滲み出ている。ドラマ的には美味しい演出なんやろな、って思います。正直僕はこういうタイプの上級医は苦手ですが。だって最初から優しくしてくれたらええやん。。。

 

ちなみに、このエピソードの最後でご両親は手術を受け入れますが、現実はそんなに甘くないと思います。実際には育児放棄して、児童相談所が一次保護・親権の代行をすることも少なくないのでは、、、というのが個人的意見です。データを持っていないので、なんとも言えませんが。。。

 

IUFD(IntraUterine Fetal Death)のケース

子宮内胎児死亡(IUFD)のお子さん、両親が取り上げられていました。

医学的には、IUFDが確認されると赤ちゃんは「胎児」ではなく「子宮内容物」となり、母体に危険を与えるものとなってしまうため、可及的速やかにに摘出しなければなりません、

ただ、お母さんはそんなに早くこの事実を受け入れられるとは思いません。鴻鳥Dr.が一旦間を置いて、四宮Dr.と一緒にエコーをやり直したのは、お母さんに心の準備をする猶予を与える、という意味があったのだと思います。

リスク因子があり、ある程度予想がつくIUFDであれば、まだ受け入れ可能なのかもしれませんが、いずれにせよ母親は自分を責めて精神状態が不安定になります。医療者もそれは同じ。それでも気丈に振る舞っていた母親・医療者は偉いなぁ、、、と思いました

 

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赤ちゃんのエンゼルケア

「エンゼルケア」とは日本語に直すと、死後処置のこと。亡くなった患者さんは闘病生活の中、様々な点滴・挿管の管がつながっていたり、週に数回の清拭のみで体が綺麗じゃなかったり、最期に送り出すには適切な状態ではないことが多いです。そのため、亡くなられた後に改めて管を抜き、体を拭き清め、着せた衣服を着せて、送り出すのが我々医療者最後の務めです。

エンゼルケアは主に看護師さんがやってくださいますが、中心静脈カテーテル抜去(CV抜去)や抜去後の縫合はうちの病院では研修医のお仕事です。カテ抜去後縫合しないと、そこから全身の血液が流出してきて悲惨なことになるので、しっかりと縫合する必要があるのです。(病院によっては看護師がする場合もあると思います。)

僕自身は赤ちゃんのエンゼルケアはやったことがありません。このドラマのように病棟全体を巻き込んで行うものなのか、それともこじんまりとするものか、よく分かりません。現実にはどんなもんなんやろか、というのが正直な感想です。

 

赤ちゃんが亡くなった後に医療者に行うケアは?

胎児やNICUの新生児が亡くなることは医療者にとっても喪失体験となります。ある種のPTSDになる人もいるとか。そのため、医師は医療のリーダー役として、亡くなった方に関わった医療者の精神的ケアを行わなければなりません(と学生の時に習いました)。

看護師さんや助産師さんは赤ちゃんとその家族に情緒的な方面でも関わることが多く、なくなった場合に精神的喪失が大きいそうです。その点医者はドライ。それでも喪失体験であることには違いないのですが。。。

僕自身このような場面で同僚にどのようなことができるかよく分かりません。今後、小児科ローテした際に学びたいことの1つかな、と思います。

 

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のび太:

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