プレジデントにこんな記事が掲載されていました。
スタバ「マイボトル」の人は浪費家だった
http://president.jp/articles/-/22872
プレジデントはちょっと分をわきまえた週刊誌という感覚でときどき読んでいます。興味深い記事から、眉に唾して読む記事まで。 今回の記事は後者だなぁ、と思います。
Contents
主張している内容はおおよそ正しいと思う
結局、この記事を書いておられるFPの先生は、
スターバックスというブランドに陶酔することなく、中身実質をしっかりと見極めて
という主張なのだと思います。
確かにスタバやタリーズのボトルは、象印やサーモスのボトルと比較して高価格であるが機能には劣るのは否めないでしょう。ボトルを使ってスタバでコーヒーを購入することは必ずしも経済的とは言えないかもしれません。
ただ、スタバのボトルを購入し、スタバでコーヒーを購入する人は
スタバのボトルでスタバのコーヒーを購入するという経験
を求めているのであって、象印やサーモスのボトルでは代えがたい経験をしているのだと思います。
ただ単にコーヒーを買いたいわけではないので、これはこれでいいのではないのでしょうか?
極端な話、最近ではコンビニコーヒーでも美味しいものがたくさんありますし、僕は研修医室ではドリップしたコーヒーを飲んでいます。
こんな感じのドリップコーヒーなら、ドリップしたてを安価に飲むことができます。
むしろFPなら、スタバのブランド戦略を分析してほしい
スタバはコーヒーに付加価値をつけて販売しています。単にコーヒーを売っているわけではないのです。
僕自身スタバでコーヒーを飲むことはあまりありませんが、まれに飲むたびに「高いなぁ」と思ってしまいます。それでもリピーターは確かに存在するのであり、スタバのボトルでスタバのコーヒーを購入することに価値を見いだせる顧客層を生み出すことに成功しているのです。
経済的合理性の観点からすると、こんな消費者が生まれるのは興味深いことです。スタバはどのようにしてこんなリピーターを生み出したのか、ということこそがビジネスマンの愛読するプレジデントの読者のニーズに合致するのではないかなぁ、と思います。
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ブランド化が求められる医療
ここからは僕の私見です。
スタバと同じように、病院も最近では「ブランド化」を求められているなぁ、と感じることが多くなりました。
保険診療は全国あまねく場所で等しい品質の医療を受けることができるのを前提としていますが、こんなことは画餅であると考える患者さんが多いです。
一昔前は百貨店型の「なんでもできる総合病院」がもてはやされてきましたが、僕が勤務している病院も含め、「その病院の強み」を前面に打ち出しブランド化を図らないと、生き残りが難しい、、、、とよく言われます。患者さんの「大病院志向」が議論され、「患者さんは大きな病院で受診したがる」という問題点を解決するために逆紹介にインセンティブが与えられてきました。が、この志向も過去の話になりつつあります。最近では、よく調べている患者さんは、「この病期に関しては、あの病院の○○先生に見てもらいたい」と言われることが少なくなく、単なる大病院はもはや信用していないようなのです。
ただ、医療の殆どのことに関しては、どの病院もやってることは結局大差ないのではないか、とも思います。スタバのコーヒーもコンビニコーヒーもそんなに味に大差はないのと同じように、一部の特殊な医療を除いて、有名病院でもその隣の病院でもやってる医療は同じ。胃カメラを有名病院で受けても、非有名病院で受けても大差はありません。日本は人口が減っていく社会です。そんな中、どうやって自分の病院をブランド化し、集患するか。その戦略が問われる時代になっていくのではないか、と思います。
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