胸部単純X線写真は日常的にオーダーする検査です。研修医も日々たくさんの胸部Xp写真を読んでいるはずですが、どうしても適当になりがち。
胸部Xp写真をカルテに貼って、所見は、心胸郭比とCPAだけかいたらおしまい!!
というのが恥ずかしながら僕の現状です。。。
これからたくさん胸部単純X線写真は撮るだろうし、少しでも多くの情報を胸写から得られるように勉強しました。
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学生の頃、放射線科の実習で、胸写読影のコツは、
システマチックに読むこと!!
と教わりました。「どこをどのような順番で読むか決めておいて、毎回決められた手順を守ること」が肝要だそうです。CTやMRIは、病変があると目に飛び込んできますが、胸写に限って言えば、病変はなかなか目に止まりません。しかも、将来は、ざわざわした外来にて短時間で読影を行わねばなりません。
今回読んだ本は、「レジデントのためのやさしイイ胸部画像教室」です。
滋賀医科大学でベストティーチャーとして高い評価を受けている長尾大志先生がかかれたレジデント向けの本です。CTの所見と合わせて、学生・初期研修医が理解すべき胸部単純写真、胸部CTについて語り掛けるような口調で平易に述べられています。
この本では、胸部X線写真は
- 撮影条件
- 胸郭は左右対称か
- 横隔膜の高さ
- 骨軟部陰影に異常はないか
- 縦隔陰影に異常はないか(縦隔気腫、傍気管線、気管偏位の確認)
- 気管分枝角に異常はないか
- 肺門部陰影に異常はないか(肺動脈径の拡大)
- 大動脈の陰影は最後まで終えるか。A-P windowは突出していないか
- 心陰影に異常はないか
- 肋骨横隔膜比は鋭か
- 肺野に異常陰影はないか(浸潤影、粒状影、すりガラス影、無気肺など)
というステップに分け、各ステップについて異常所見、紛らわしい病変について説明しています。
練習問題が15題ついていて、実際に読影する際と同じように1.〜11.について解説しており、読影の際の目の動かし方・考え方が分かります。
また、胸部CTの読み方についても、「なぜこのような陰影が出現するのか」という機序を平易な図を用いて分かりやすく説明しています。
僕はこの本を読む前は、
・肺の区域分類がよく分かっていない
・浸潤影とすりガラス影の違いがいまひとつよくわからない
・粒状影、結節影、腫瘤影といった言葉の使い分け方がわからない
・「小葉中心性の粒状影」という言葉をよく聞くけれど具体的にどういうことかはわからない
という状態でしたが、このようなあやふやな知識がすっきりと整理されます。
初期研修のはじめのうちに読むことをおすすめする本です。胸写これからの医者人生で何回も何回も読むことになるので、早めの学習が大切だと思います。
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