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蕁麻疹か?アナフィラキシーか?

救急外来に「皮膚にぶつぶつが出てきた」という主訴で来院される患者さんが多数おられます。

食べ物?植物のかぶれ?運動?食事後の運動?寒冷?などなど誘引はお話を伺ってもよく分からないことがおおいですが、とりあえずルート確保して

・ポララミン 5mg 1A静注

・効かなければもう1A静注してみるか、ソルメルコート125mg投与検討するか。

みたいな対処をすることが多いと思われますが、ふと、

 

これってアナフィラキシーやからアドレナリン0.3mg大腿外側に筋注したほうがいい?

 

と思う瞬間があります。アドレナリンを投与するかしないかの基準てなになんやろう?ということを調べるうちに、そもそも蕁麻疹とアナフィラキシーを混同して考えていたことに気がつきました。

 

 

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アナフィラキシーの症状の1つに蕁麻疹がある

そもそも蕁麻疹とは、主に1型アレルギーによってIgE mediatedにヒスタミン分泌、ロイコトリエンなどが肥満細胞・好塩基球などから分泌されることによっておこる皮膚症状です。膨疹が生じ、掻痒感を伴います。

蕁麻疹単独では、血圧低下や呼吸器症状、消化器症状など他の症状を伴うことは少ないです。

ヒスタミンによる症状は抗ヒスタミン薬やステロイドで炎症・免疫を押さえ込んであげることで軽快します。

 

アナフィラキシーは複数症状が出現する

アナフィラキシーには日本アレルギー学会より発表されている「アナフィラキシーガイドライン」があります。

リンクはこちら↓より。

https://anaphylaxis-guideline.jp/pdf/anaphylaxis_guideline.PDF

このガイドラインの1ページに下記の図が記載されています。

日本アレルギー学会アナフィラキシーガイドラインより

 

要するに皮膚症状単独ではアナフィラキシーの診断には至らない、ということです。

皮膚症状+呼吸器症状・消化器症状・循環器症状となって初めてアナフィラキシーと診断でき、アドレナリン筋注の適応となるようです。心臓が悪い患者さんで、アドレナリンで心臓をいじめないほうがいい場合にはグルカゴン投与も一考だそうです。

 

 

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膨疹の患者さんを見たら呼吸器症状や消化器症状があるか、血圧が保たれているか、を自然と確認していましたが、これらの症状がある場合にはアナフィラキシーとしてアドレナリン筋注を指示する必要がある、ということを失念してしまっていました。

 

「アドレナリン0.3mg筋注投与」の指示って、自信がないとなかなかできないことだと思います。どう考えても心臓が止まっている人にアドレナリン1.0mg投与するのにためらいはないですが、一見元気そうな人にアドレナリン筋注するのはちとハードルが高い。。。

 

だからこそ、きちんと適応を把握しておかないとな、と実感する経験となりました。間違いなどがありましたらご指摘頂けますと幸いです。

 

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