日経メディカルにこんな記事がありました。
学会が「推奨しない検査」はコレ!
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t298/201709/552734.html
ときどき日本でもChoosing wiselyという言葉を聞くようになりました。実際のところどうなんでしょうか?
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検査偏重になりがちな風潮を正す運動
医療において様々な検査を行うことが必要不可欠です・
血液検査、画像検査、内視鏡検査、カテーテル検査など検査の数は枚挙に暇がありません。
何らかの疾患を疑う場合、検査を行いその疾患である可能性の高低を判断しなければなりません。
ただ、診断に直結しない、あるいは診断後のマネジメントに影響しない検査はムダな検査、ということになります。
僕自身も検査に頼りがちです。
例えば足の捻挫疑いで救急外来を独歩で受診した患者さんに、レントゲンをすぐ撮影してしまいます。歩けている患者さんの骨が折れている可能性は限りなく低いです。それでもレントゲンを撮影してしまうのです。
レントゲンの読影は難しいから、ということで時にはCTまで撮影してしまうことも。。。歩ける人にCTまで撮るのってムダだよなぁ、、、とつくづく思います。
不要な検査を省くために様々なruleがある
例えば、先述の足の捻挫の場合には画像検査の適応に、
Ottawa ankle ruleがあります。
定められた5箇所の圧痛点を調べ、1箇所でも圧痛点があるのであれば画像検査を行うべき、というルールです。(詳しくは参考書等を御覧ください)
このruleは様々な論文で追試され、systematic reviewでその正確性が担保されています。きわめて有用なruleです。
このようなruleを1つ1つ覚えて、不要な検査を省くことができるように努めるべきなのでしょう。
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患者さんの理解も必要
Ottawa ankle ruleでは微小な骨折は見落としてもOKということになっています。
なぜなら、微小な骨折があったとしても、自然にくっつくのを待つだけで特に加療を要さないからです。
患者さんの中には「どんなに小さな骨折でもいいから骨折があるか知りたい」とおっしゃる方がたくさんいます。
そもそも小さな骨折があっても治療は変わらず、たとえCTやMRIを撮影したとしてもスライス厚よりも小さな骨折は見落としてしまう可能性があるわけで、限界があることを理解して頂く必要があるわけです。
整形外科医は「骨折はありません」という説明をすることはありません。救急外来で診療する医師も安易に「骨折はありません」と言うべきではないでしょう。「画像検査で分かるはっきりとした骨折はありませんが、不顕性骨折や偏位が後からでて判明する骨折がありうるので痛み止めで様子を見ながら経過観察をしてください」というのが正しい説明があると思います。
患者さんは「結局骨折はあるの??」となってしまいがち。根気よく説明し、患者さんが過剰な検査を求めないよう医療者が根気よく説明する必要があるのだと思います。
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