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救急外来でよく見かける疾患として、「過呼吸症候群」が挙げられます。
僕が持っているイメージは、「過呼吸になって、CO2が飛んでいって、呼吸性アルカローシスになって、Caが下がることで筋肉の興奮性が上がって、テタニー(手足のしびれ)がおきる」という程度でした。「呼吸性アルカローシスになって、Caが下がる」ってのがテキトーですよね笑
また、カルシウムに関するややこしい概念の1つに、「補正Ca」があって、
補正Ca = 実測Ca + 4 – Alb(アルブミン) …(1)
という式が成り立つのが有名です。
正直なところなぜ”補正”なんてことをしないといけないかよく分かっていなかったのですが、この度勉強していると「過換気症候群」の機序と併せて理解が深まってきました。
そもそも、筋肉の興奮性を上下させる等の「生理的活性」を持つのは、イオン化Ca(Ca2+)です。そして、イオン化Ca(Ca2+)はアルブミンと結合している状態(「Alb結合Ca」とここでは呼ぶ)だと「生理的活性」を持ちません。
そして、実測Caは
実測Ca = イオン化Ca(Ca2+) + Alb結合Ca …(2)
の総和です。繰り返しますがそのうち「生理的活性」を持つのは、イオン化Ca(Ca2+)のみ。