のび太の研修医日記

人の幸せを願い、人の不幸を悲しむことのできる医師への道


医学関連

上腸間膜動脈症候群とナットクラッカー現象

投稿日:2017-07-11 更新日:

congerdesign / Pixabay

「上腸間膜動脈症候群(SMA症候群)とナットクラッカー現象」が時々こんがらがってしまうので、備忘録がてらまとめておきます。

 

上腸間膜動脈症候群(SMA症候群)は要するに十二指腸閉塞の一種

上腸間膜動脈が腹部大動脈から分岐する角度が鋭角のため、

上腸間膜動脈腹部大動脈・椎体との間に十二指腸水平部・下行部が挟まり、腸閉塞に至る」

というのが病態です。要するに十二指腸閉塞で、イレウスの一種と考えても良いのではないでしょうか。

腸閉塞が起こると、閉塞部位より上流が拡張するため、胃が膨隆し腹部膨満感を訴えます。

また、胃や十二指腸の内圧が上昇するため、悪心・胆汁性嘔吐が生じます。先天性十二指腸閉塞と同様の病態のため、X線ではdouble bubble signを認めます。

 

ナットクラッカー現象は

こちらも、上腸間膜動脈が腹部大動脈から分岐する角度が鋭角のため、

上腸間膜動脈腹部大動脈・椎体との間に腎静脈が挟まり、静脈圧が高まることで血尿が生じる

というのが病態です。無症候性血尿の原因の1つとして挙げられます。

基本的に良性の疾患で経過観察とすることが多いです。静脈圧の上昇が著しい場合は、ステント留置術も検討されるようです。

 

「はさまれるもの」だけが両者の違い

なんとなく混同していましたが、よくよく整理してみるといずれの疾患も、

上腸間膜動脈と腹部大動脈・椎体

がこれらより柔らかい組織を挟んでしまうことでおきてしまう閉塞に起因する病気です。

上腸間膜動脈症候群で挟まれるのは十二指腸下行部・水平部

ナットクラッカー現象で挟まれるのは腎静脈

これだけおさえておけば、だいぶスッキリと整理できるのではないでしょうか。

 

臨床で頻繁で見る疾患ではありませんが、ときどき耳にするこれらの疾患を整理してみました。実際にブログに書き出してみると、知識が整理されていい感じです(*^^*)

 

 

 

ランキングに参加しています。他にも『研修医』『医師』をテーマにした面白いブログがたくさんあるので、よろしければクリックいただけると幸いです!
にほんブログ村 病気ブログ 医者・医師へ
にほんブログ村

研修医ランキング



336*280

336*280

-医学関連

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

ステロイド外用薬の分類 市販薬はどのくらいの強さ?

PublicDomainPictures / Pixabay 虫刺されや湿疹に対する特効薬に外用ステロイドがあります。ステロイド外用薬の強さと実際の製品名がごっちゃになることが多いので、整理しておきま …

深いヤケドにリンデロンVG軟膏は禁忌!

救急外来で対応に苦慮する疾患の1つに皮膚疾患があります。 実際問題、救急外来で対応を求められる、命に関わりうる皮膚疾患は薬疹が多いのかな、と思うのですが、ヤケドや帯状疱疹の患者さんも時々来られます。な …

竜馬先生シリーズのまとめ。「白熱講義」はリアルに行われているようです!

(↑の写真は竜馬さんのイメージです笑) 研修医向けの血ガス・人工呼吸管理の著作で有名な田中竜馬先生。米国の集中治療医・呼吸器内科医として活躍されているそうです。 このブログでも先生の著作を度々紹介させ …

コウノドリ -2nd season- 第2話 研修医目線の感想

今話題の医療ドラマ『コウノドリ』。ちまちまと出来る限り感想をアップしていきたいと思います。 今回は第2話です。バックナンバーはこちらからどうぞ。 Amazon prime videoの無料体験で1st …

コウノドリ -2nd season- 研修医目線の感想のまとめ

昨年秋〜冬にかけて話題となった医療ドラマ『コウノドリ』。ちまちまと感想をアップしてきました。このページは感想のまとめページです。ちなみに上の写真はカモメです笑   スポンサーリンク &nbs …

doctor_dog

doctor_dog

プロフィール

名前:のび太
とある国公立大学を卒業し、とある病院で働いている初期臨床研修医。研修医になって見て感じたことを記録に残したくてブログをはじめました。のび犬じゃないよ笑

※当ブログに掲載している情報、特に医学的情報は医学を勉強途中の研修医の意見に過ぎません。その点を留意の上お読みくださいませ。

twitterのフォローはこちらから!

 

人気記事TOP10