2017年4月から開始した初期臨床研修もこの3月で修了となりました。不定期更新だったこの日記もついに開設から2年が経ち、感慨深い限りです。
この2年間で感じたことを総括したいと思います。
人の幸せを願い、人の不幸を悲しむことのできる医師への道
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2017年4月から開始した初期臨床研修もこの3月で修了となりました。不定期更新だったこの日記もついに開設から2年が経ち、感慨深い限りです。
この2年間で感じたことを総括したいと思います。
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「日本の医療は世界最高レベルだ」とよく言われます。確かにがん治療などの領域において、本邦の医療が最高水準であることは疑いのないことでしょう。
ただ、日本の医療水準が高いのはあくまで平日昼間の話。
休日夜間の医療は主として医学部卒業後1-2年後の初期研修医がになっているのが現状です。市中病院では病棟の当直は初期研修医と後期研修医で回していることが多いでしょう。僕の出身大学では、大学病院ですら当直は初期研修医・後期研修医です。上級医は研修医が呼び出して初めて来院します。
救急外来も初期研修医がメインの戦力。上級医がいるとはいえ、その上級医も後期研修医〜卒業後10年以内の医師が大半です。いわゆる「ベテラン」の医師が救急外来を担当していることはめったにないのです。
また救急外来では専門外の対応を迫られることもしばしば。多くの病院では内科系当直・外科系当直に分担していますが、例えば外科系当直が眼科医師の日には眼科の医師が骨折のシーネ固定を行うことになります。夜間休日の日本の医療は意外と脆いです。
場合によっては外科系の先生が肺炎を診ている、、、なんてことも田舎では珍しいことではありません。
肺炎くる。内科にコンサルトする。ウチじゃないと言われる。結局外科で見る。俺チョーえらい。
— コンタミ (@contami_germ) February 24, 2019
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すべての人間が病気にかかります。いわゆる暴力団関係者が担当患者となったことはこの2年間に複数回ありましたし、モンスターペイシャントと世で呼ばれる自己主張が過大な担当患者もいました。
小学校→中学校→高校→予備校→大学、、、と年齢を経るごとに行動範囲は広がり、接する人の幅も広がります。
最近以下のはてなブログの記事が話題を呼びました。
「田舎者と貧乏人を初めて見た話」
https://anond.hatelabo.jp/20190328015628
この筆者は都内で生まれ育ち、地方国公立医学部医学科に合格し、地方都市生活を始めた方です。
twitter上では、この筆者を叩く人がたくさんいます(下記リンク)。
高校生なんてたかだか駅で数駅程度の行動範囲で、付き合う人も同じ高校に通う同級生くらいなんだから、大学に入って一気に行動範囲・交友範囲が広がれば、それはそれはカルチャーショックは受けるのではなかろうか、と僕は思います。殴り合いの喧嘩をして骨折した人、昼間からアルコール中毒になり救急搬送されてくる人etc. こんな人達を僕は研修医になって初めて見ました。程度の差はあれ、僕はこの学生さんと同様に、たくさんのカルチャーショックを受けてました。
そして、このようなたくさんのカルチャーショックが、人間としての幅を広げるのだと思います。このブログで書かれているような想いを抱いたことは、この学生さんにとって良い経験となることと思います。
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僕らの1個上の学年から新専門医制度が適用される後期研修が開始されています。
賛否両論ありますが、はっきりいって否定的な意見ばかりです。
僕が勤務するのは地方都市の中規模病院。専門医機構は「大都市への専攻医集中はない」と言いますが、どう考えても地方都市のメジャー科専攻医は減っているというのが肌で感じるところです。少なくとも僕の周りではいわゆる「メジャー科離れ」がはっきりと進みました。「マイナー科志向」は僕の1個下の学年でより顕著になっている印象です。
下記のはてなブログ記事はこの界隈ではあまりにも有名でしょう。
「私が医療崩壊のトリガーになる未来」
https://anond.hatelabo.jp/20180630150652
日本の医療はどこに進んでいくのでしょうか。そんな中、明日より僕は小児科医として歩みを進めていきます。将来仕事があるか正直不安ですが、研鑽を積み、世に求められる医師になるように精進しようと思います。
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執筆者:のび太
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