のび太の後期研修医日記

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ステロイド外用薬の分類 市販薬はどのくらいの強さ?

投稿日:2017-08-06 更新日:

虫刺されや湿疹に対する特効薬に外用ステロイドがあります。ステロイド外用薬の強さと実際の製品名がごっちゃになることが多いので、整理しておきます。間違いがありましたらご指摘お願いします。

市販の外用薬にもステロイドが含まれるものがたくさんあるので、群分類とともに記載しておきたいと思います。そもそも市販の塗り薬にはステロイドだけでなく抗ヒスタミン薬などとの合剤になっているものが多いことにも留意しておいてください。

ステロイドを使用する際には「ステロイドを塗っても皮ふの状態は良くなったり悪くなったりするが、塗り続けると長期的にはよくなってくること」を理解していただくことが大事かと思います。湿疹が治っても、目には見えない微小な炎症があると考えられるため、しばらくの間は塗り続けることも大事だと言われているようです。

 

Contents

I群:Strongest(ストロンゲスト)

  • デルモベート®(0.05% クロベタゾールプロピオン酸エステル)
  • ジフラール®・ダイアコート®(0.05% ジフロラゾン酢酸エステル)

重症のアトピー患者さんに処方されているイメージです。僕が見かけることはあまりないです。この群の市販薬は調べた限りありません。

 

II群:Very Strong(ベリーストロング)

  • フルメタ®(0.1% モメタゾンフランカルボン酸エステル)
  • アンテベート®(0.05% 酪酸プロピオン酸ベタメタゾン)
  • トプシム®(0.05% フルオシノニド)
  • リンデロン DP®(0.064% ベタメタゾンジプロピオン酸エステル)
  • マイザー®(0.05% ジフルプレドナート)

この群のステロイド外用薬は比較的よく見かけます。ちょっとひど目の炎症がある際に処方されているイメージ。この群の市販薬は調べた限りありません。

III群:Strong(ストロング)

  • エクラー®(0.3% デプロドンプロピオン酸エステル)
  • メサデルム®(0.1% プロピオン酸デキサメタゾン)
  • ボアラ®・ザルックス®(0.12% デキサメタゾン吉草酸エステル)
  • ベトネベート®リンデロン V/VG®(0.12% ベタメタゾン吉草酸エステル)

※リンデロンVGは抗菌薬:ゲンタマイシン配合

  • フルコート®(0.025% フルオシノロンアセトニド)

日常的に最もよく見かけるステロイドです。非専門医でも処方できるレベルのステロイドです。ハチや蚊に刺された際に頻用します。

この群の市販薬は、

  • ベトネベートクリームS(第一三共)[ベタメタゾン吉草酸エステル]
  • ベトネベートクリームN軟膏AS(第一三共)[ベタメタゾン吉草酸エステル+フラジオマイシン(抗菌薬)]

僕が探した限りはこれしか見つかりませんでした。

 

IV群:Medium(ミディアム)

  • リドメックス®(0.3% 吉草酸酢酸プレドニゾロン)
  • レダコート®(0.1% トリアムシノロンアセトニド)
  • アルメタ®(0.1% アルクロメタゾンプロピオン酸エステル)
  • ロコイド® (0.1% ヒドロコルチゾン酪酸エステル)
  • グリメサゾン®・オイラゾン®(0.1% デキサメタゾン)

小児の湿疹・アトピーの治療に頻用される群です。

この群の市販薬が一番多い印象です。PVA(プレドニゾロン吉相酸エステル酢酸エステル)配合されていることを売りにしているものが多いです。一部のみ載せておきます。

  • オイラックスA 30g [ヒドロコルチゾン酢酸エステル + 抗ヒスタミン薬等]

 

V群:Weak(ウィーク)

  • プレドニゾロン®(0.5% プレドニゾロン)

臨床的にはほとんど使われていない群です。市販薬は販売されているようですが割愛します。

 

掻痒感を訴える患者さんに「ステロイドの塗り薬は塗ってますか?」と尋ねると、「No」と返ってくる事が多いですが、よくよく聞いてみると「『ムヒアルファEX』塗ってます!」ということがままあります。市販薬についても知識を深めておきたいものです。

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プロフィール

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とある国公立大学を卒業し、とある病院で働いている臨床研修医。2019年〜小児科後期研修医、2017-2019年初期研修医。研修医になって見て感じたことを記録に残したくてブログをはじめました。のび犬じゃないよ笑

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