病院で初期臨床研修医として働き始めてはや1ヶ月。4月分の給料をいただいたのですが、多くの病院では給料は税引き前で30万円/月ほど。
1ヶ月働いて実感したのですが、自分の働きでは月に30万円も利益をもたらしているとは到底思えません。研修医が利益を出さないのに加え、研修医を指導する時間の分だけ上級医の仕事時間を削ってしまいます。
このように考えると、赤字が大半と言われる病院が研修医を雇う理由なんてないんじゃないか、と思ってしまいますが、実際のところはどうなんでしょう?
病院が初期臨床研修医を雇用する理由を考えてみました。
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当直要員の確保
これが一番大きな理由やと思います。病院の当直は17:00〜翌日9:00に及ぶ長丁場。若者でないととてもじゃないけど務まりません。
しかも医療法に「入院設備を持つ病院では医師が必ず宿直しなければならない」と定められているので、とりあえずは研修医に当直をさせておいて、何か急を要する事態が起こったら上級医を起こすという仕組みにするのがリーズナブルなのでしょう。病院によりますが研修医の当直料は1.5万円程度のことが多いので、なにも起きない当直であれば上級医が当直するより安上がりです。 -
病棟雑務要員の確保
これも大きな理由でしょう。例えば、外科だと上級医はみな手術に出てしまっていて、病棟を守るのは研修医ということがよくあります。内科でも上級医は外来や処置に忙しく、採血オーダーや足りない薬の処方など病棟での細々とした業務を研修医が担当することはよくあります。研修医といえども医師免許を持った人間なので、雑用をするというだけでも病院にとってプラスなのでしょう。
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臨床研修病院入院診療加算(入院初日)の確保
なんだんかんだで僕のような研修医は非効率な医療をしがちです。意味のない痛み止めや湿布を患者さんの要望のままに処方してしまうことも・・・・。そんな効率の悪い僕達研修医を雇っている病院は、「臨床研修病院入院診療加算(入院初日)」といって入院初日に基幹病院では40点(400円)、協力病院では20点(200円)、患者さんから徴収できます。
例えば、東京大学病院では、
1年の入院患者数はのべ38万人ほどで、研修医は220人ほど。
単純計算で、
380,000 × 400 / 220 = 690,900 円
となり、研修医1人雇うことで病院は約70万円の増収となります。もちろん、研修医の年収は300万円ほどなので、研修医の人件費すべてをこの加算でまかなえるわけではありませんが、研修医にかかる費用のおよそ4分の1は診療報酬の上乗せという形で補填されるわけです。
いかがでしょうか。初期臨床研修医として働いていて、お給料をいただいて、こんなにもらって病院は大丈夫なのだろうかと思い、調べてみました。もちろん、若いスタッフが新たに入ってくると、人の入れ替わりが生じて環境がよくなる、というのも大きな理由やと思います。とりあえず、病院に貢献できるように、少しでも早くスキルアップしていきたいと思います。
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