ある日指導医からこんな言葉を言われました。
Every patient is your best teacher.
Every student is your best teacher.
患者さんも学生さんも、僕ら研修医の先生なんやで、ってことです。
この言葉を言われたのは確か5月頃。その時はピンとこなかったですが、今となってじわじわと効いてきている言葉です。
カンファで自分の言葉に出して患者さんの病態を説明しようとすることで、自分の理解が不十分なことが明らかになる実感は4月当初からありました。
そして6月になり、患者さんへの病状説明(いわゆるIC)を(上級医同伴のもと)一緒にするようになって、自分の理解がまだまだだなぁ、と身につまされることが増えています。
例えば、心不全の患者さんが、急性非代償性心不全(ADHF)で入院される際に、この病名を使って説明しようとする際に、「何に対する代償ができていないのか」明確に語ることはできませんでした。
なんとなく、「心臓のポンプ機能を体の各所で代償できないくらい心臓が弱っています」と説明し、患者さんも「?」な感じで押し切ってしまいました。
正しくは、
「健康な方は心臓が弱り心拍出量が低下すると、(RAA系↑により)腎臓におけるNaの排出を減少させ全身の血液を体に保とうとすると同時に、末梢の血管を収縮させることで血圧を保とうとします。そして(交感神経↑により)心筋の収縮力を上がります。ただ、感染などの要因で、この代償が十分に行われなくなるために心拍出量低下が続き、心不全となり手足がむくんだり、肺に水がたまったりします」
となるのでしょうか。この説明で理解できない患者さんも多いかと思いますが、逆に言えば、特に若い患者さんだとこのくらいの説明は求められているのだな、と思うことも多いです。
そして、治療は、
「ACE阻害薬やARB、hANP(RAA系に拮抗)といった治療を行い、ADHFによる二次性の心不全症状を緩和しようとすると同時に、手足のむくみ、肺にたまった水を抜くためにループ利尿薬やトルバプタンを使います」
となるのでしょうか。(これでもだいぶアバウトな気がしますが)