日経メディカルを読んでいるとこんな記事がありました。
『10歳代へのタミフル投与がようやく再開へ』(2018年6月23日閲覧)
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/201806/556260.html?n_cid=nbpnmo_mled
インフルエンザの治療薬といえば、『タミフル(R)』(一般名:オセルタミビル)です。ようやく10歳代へのタミフル投与が再開される、との記事です。
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この記事の中で、タミフル(R)のジェネリック薬品が2018年6月に薬価収載された旨も掲載されています。
沢井製薬が「オセルタミビルカプセル 『サワイ』」という名前で発売しています。
(先発品)中外製薬:タミフルカプセル 75 272円/CP
(後発品)沢井製薬:オセルタミビルカプセル『サワイ』136円/CP
用法・用量に関しては、インフルエンザカプセル75 添付文書を参照すると、
1. 治療に用いる場合
通常、成人及び体重37.5kg以上の小児にはオセルタミビルとして1回75mgを1日2回、5日間経口投与する。2. 予防に用いる場合
(1) 成人通常、オセルタミビルとして1回75mgを1日1回、7~10日間経口投与する。
(2) 体重37.5kg以上の小児通常、オセルタミビルとして1回75mgを1日1回、10日間経口投与する。
とのことですので、
先発品:272円×2(回/日)×5日間=2720円
後発品:136円×2(回/日)×5日間=1360円
となり、およそ1000円ほど医療費が安くなります。
2017年冬〜2018年新春のインフルエンザ患者さんが約280万人とのことですから、仮にジェネリック薬品が利用されたとすると、ざっと28億円の医療費が軽減されることになります。
もちろん、小児の用法用量は違いますし、インフルエンザ患者全てにオセルタミビルを処方するわけではない(小児処方はイナビルが多い)のでこの計算は捕らぬ狸の皮算用に過ぎないですが、インフルエンザ治療薬の使用量を考えると国家財政にとっては嬉しいことでしょう。ただ、国家予算の中を占める医療費は40兆円ほどなので、焼け石に水かもしれません。
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インフルエンザ患者さんに対するインフルエンザ治療薬投与に関しては、以前記事にしました。
2018年3月には新しい作用機序のインフルエンザ治療薬としてゾフルーザ(R)(一般名:バロキサビルマルボキシル)が薬価収載されました。僕自身は処方経験がない薬です。
現在タミフル(R)を処方されている層の患者さんに、今期インフルエンザシーズンにオセルタミビルカプセルが処方されるか、ゾフルーザ(R)が処方されるか、今後の動向に注目したいと思います。
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