今話題の医療ドラマ『コウノドリ』。ちまちまと出来る限り感想をアップしていきたいと思います。
今回は第6話です。バックナンバーはこちらからどうぞ。
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人の幸せを願い、人の不幸を悲しむことのできる医師への道
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Contents
下屋Dr.が独りで胎盤の用手剥離を試みた際に、小松さんは「えっ」と戸惑います。そしてあとで下屋Dr.は鴻鳥Dr.に怒られます。
研修医に限らず若い医者というのは、「手技はできるだけ自分でやりたい!」と思うもの。そのため、手技をするチャンスがあれば、「自分でやりたい」と思ってしまうものです。
しかし、これは大きな間違い。初心者のうちは上級医のバックアップが無い状況下で手技をしちゃダメなのです。
例えば、挿管1つとっても、万が一自分の力で挿管できなければその患者さんはあっという間に死んでしまいます。上級医が確実にバックアップできる状況下あるいは自分が確実にマスク換気を行える技術を身に着けた状況下であって初めて初心者が挿管にtryすることが許されるのです。
上級医の価値は下級医が失敗した際にリカバリーをすることができる点にあると思います。
物事が予定調和どおりに進んでいる場合には上級医は必要ありません。そんなことが繰り返しあると、研修医・下級医は独りで手技をしても大丈夫なのではないかと思いがちですが、実際には全然そんなことありません。手技にしろ手術にしろ、トラブったときにこそ上級医・指導医が活きます。トラブルを自分で解決できるようになって初めて独りで手技をしてもよいのです。
予期せぬ死亡は患者・医療関係者を悲しませますが、予期し得た死亡ほど医療関係者を無念な気持ちにさせるものはありません。
今回のエピソードでは下屋Dr.は上屋さんが甲状腺疾患にかかっている可能性があることを薄々認識はしていたのですが、その場では何もできず、甲状腺クリーゼになってペルソナに搬送されてはじめて後悔の念にかられることとなります。
自分の能力では気付けなかった疾患によって死亡すると、自分の力の無さを痛感することとなりますが、自分で薄々気づいていて、でも「まぁ、いっか」とスルーしていた場合にはすごく無念な気持ちになります。研修医の場合はまだまだ力不足なため前者のことが多いです。
それでも救急で診た患者さんが、翌日再診で帰ってきて即入になっている症例を見かけると、やっぱりあのとき入院させておいたほうが良かったのかなぁ、と少し反省します。もちろん、夜間入院しても、昼間入院しても、予後が全く変わらないケースが大半ですし、夜間入院の方が昼間入院よりも、天と地ほどハードルの差があるので、必ずしも反省しなくても良いのかと思いますが。
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なんとなーく、予想通りの展開ですよね。
「全身管理のできる産科医になりたい」と志して、下屋Dr.は救急・集中治療科へ1年間修業に行きます。それを受けて、鴻鳥Dr.は「きついけど頑張れよ」といい、救急科Dr. は「1年ももつかな」と言います。
そりゃそうだよね、と僕も思います。初期臨床研修医には救急科ローテが義務付けられていますが、どこの病院でもたいていは救急科ローテはしんどい期間です。研修医の場合は数ヶ月で終わりますが、1年間も続けるのはなかなか難しいのではないか、と周囲が思うのも無理はないこと。
「全身管理のできる〇〇科医になりたい」というのは最近ブームになっている気がします。〇〇には全身管理に縁のある科が入ることが多いです。循環器内科や呼吸器内科、腎臓内科など。循環器内科の場合はPCPS回してますし、呼吸器内科だと人工呼吸は専門ですし、腎臓内科だと透析・電解質管理はお手の物です。なので、産科医が全身管理をしようと思うのは珍しいです。果たして下屋Dr.はやっていけるのか!?注目やな、と思います。
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執筆者:のび太
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