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研修医がはじめてする「手術」

sasint / Pixabay

手術というと↑の写真のような、清潔ガウンを着て数人でするものをまず思い浮かべるかと思います。実際、医療関係者の間でも、「手術」といえばこのようなたいそうなものをイメージします。

 

が、そうでもない「手術」もあります。そして、世の中のほとんどの研修医が1人で行ったことがある「手術」。

 

何でしょう・・・?

 

 

 

 

 

 

答えは、

肘内障の整復術

です!

 

この整復術は、保険診療点数上は、

 

K061 関節脱臼非観血的整復術 (800点)

であり、「手術」の項目内に含まれます。つまり、立派な手術です。

肘内障以外の関節整復を研修医単独ですることはなかなかないでしょうから、肘内障整復が事実上研修医がはじめて行う保険診療上の「手術」となると思います。一瞬で手技終了するのに結構高い ( ̄Д ̄)ノ

 

ちなみに、診療報酬の「手術」の項目の「通則」に

3歳未満の乳幼児又は3歳以上6歳未満の幼児に対して手術(区分番号K618に掲げる中 心静脈注射用植込型カテーテル設置を除く。)を行った場合は、当該手術の所定点数に所定点 数の100分の100又は100分の50に相当する点数を加算する。

とあり、さらに手術料は100分の100又は100分の50加算されます。肘内障の整復に1600点(16000円)はちょっとやりすぎじゃないかなぁ、と思わないこともないです。(診療報酬の計算が間違っていたら申し訳ありません)

これにさらに診察料が加算されます。

 

話を肘内障に戻します。

そもそも肘内障は、子供の手を引っ張ることで、肘のところで尺骨と橈骨をドッキングさせている輪状靭帯から橈骨頭が外れてしまう病気です。患側上肢全体を動かさなくなるので、親御さんは「腕が外れた」「肩が抜けた」とおっしゃって来院されます。

詳細はこちらをご参照ください。(日本整形外科学会HPより)

 

こんな感じで、Youtubeにも動画がたくさんあります

 

親御さんは「腕を動かさなくなった」と夜中でも慌ててこられるのですが、案外あっさり治ってしまうのですごく喜ばれます。そしてすぐに子どもはおもちゃで遊び始める。子どもは正直でええなぁ、とほっこりする救急外来での一場面です。

 

「肘内障の整復」はぜひとも身につけておきたい「手術」の1つです。

 

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