投稿日:2017-08-17 更新日:
救急外来をしていると、頭痛を主訴に来院される方がたくさんいます。
頭痛は大きく2つに分けられて、
に分類されます。
見逃してはいけない怖い頭痛が二次性頭痛。何らかの頭蓋内病変に起因する頭痛です。くも膜下出血など。
一次性頭痛は、片頭痛・緊張型頭痛・群発頭痛の3つです。
片頭痛
有病率5〜10%ほど。女性に多く、閃輝暗点が有名。なんかの小説に載っていて、国家試験の題材にも扱われました。
POUNDというゴロ合わせが有名で、
Pulse:拍動性。ズキズキ痛む。
hOur:4〜72時間持続する。
Unilateral:片側が痛む (とはいえ両側が痛むことも)
Nausea:嘔気を伴う
Disability:日常生活に支障をきたし、暗いところでじっとしてるとラク。光過敏・音過敏あり。
という特徴があります。
ストレス解放時(仕事終わりやテストが終わった後など)に痛むのも特徴的。月経周期との関連が深いです。個人的経験では、救急外来で最もよく見かける頭痛です。
片頭痛だと思ったら、片頭痛の特徴をclosedに質問するとよいです。患者さんが「この人わかってくれてるんや」と、ちょっと信頼してくださることもあります。
救急外来での対応はロキソプロフェンやトリプタンの処方になり、予防のCa拮抗薬やβ遮断薬は後日近医にて対応していていただくことになることが多いです。(病院によるのでしょうが)
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緊張型頭痛
生涯有病率は30%以上。一次性頭痛では最多。中年以降に発症。男女差はあまりない。
痛みが一日中ダラダラ続くけど、日常生活には支障なし。
精神的・肉体的ストレスで増悪し、入浴・飲酒・運動で軽快する。
そーんなに重症にはならないので、救急外来でみかけることはあまりない印象です。
群発頭痛
有病率は1%以下。男性に多い。
1年に1回ぐらい突発的に目のあたりをえぐられるようなめっちゃ痛い頭痛に襲われる。
深夜に多く、痛みのために七転八倒。飲酒すると悪くなる。
「群発」とは言うけど、基本的には片側の痛み。
きっと救急外来で見かけるのだろうな、と思いつつまだ経験したことはないです。
ということで、このような一次性頭痛の患者さんはすごく痛むのですが、重篤な後遺症なくや死に至ることは少ないことから緊急性は少ない印象です。
ただ、一次性頭痛でも患者さんはかなり痛がっていて、身体所見・患者さんの訴えだけからでは二次性頭痛を除外するのが困難なことがしばしばあります。髄膜炎を一応は否定しておきたくて、項部硬直確認しようとすると、患者さんが抵抗してうまく評価できなかったり、もちろんjolt accentuationは陽性になったりするし。。。
たぶん片頭痛やと思うけどなぁ、と思いつつ、血液検査で炎症反応上昇していて、予防接種歴が微妙な感じだと、ビビって髄液検査したり、CT撮ったりすることも。。。
ちなみに、2年目研修医がくも膜下出血の症例に迅速にCT検査を行わず、訴訟となった有名な症例があります。
ニュースの元サイトはもう表示できないですが、こんな感じのブログはあります(あくまでご参考までに)
http://med2008.blog40.fc2.com/blog-entry-134.html
このケースがあるがために、ビビって頭部CTを撮影していることも少なくないのでは、と思います。
過剰な検査をしてしまわないようないい方策はないかなぁ、と頭痛の患者さんに頭が痛い(←これが言いたかった!)毎日です。
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