上の写真は包帯で巻いているだけですが、救急でよく行う手技に「シーネ固定」があります。
救急でギブス固定を行うことは救急外来の医師の技術では難しいですし、そもそもグラスファイバーや石膏がないので物理的にも不可能です。
そのため、シーネ固定と呼ばれるいわば「仮固定」を行い、次の整形外科外来受診まで安静を保つ助けとなるようにします。
まとめると、
シーネ固定:仮固定。↓で示すオルソグラスや添え木を支えとし、それに包帯を巻くことで、患肢を良肢位に保ち、次の整形外科受診まで安静を保つ助けとする。救急の現場でよく行われる。整形外科医以外でもできる手技。
ギブス固定:本固定。石膏やグラスファイバーを用いてしっかりと固定する。長期間固定する場合に用いる。基本的には整形外科医しかできない手技。
患者さんはシーネのことをギブスだと思っていることが多く、シーネ固定だけで満足して、整形外科受診に休み明けに行ってくださらないことがあります。説明には注意が必要です。あくまで仮固定であること、コンパートメント症候群の説明(5Pの症状が出たら直ちに受診!)もしっかりして帰宅していただきましょう。