研修医はたくさんの参考書を買うわけですが、好みは人それぞれ。それでも万人が持っている参考書はいくつかあります。
呼吸器内科ではこの本が万人受けしているようです。
・レジデントのためのやさしイイ呼吸器教室
呼吸器内科ローテでつまづきそうな事柄について全27章かけて語り掛けるような優しい調子で語られています。とても分かりやすい。掲載されている内容は、
・A-aDO2の意義・計算方法
・肺炎に対する抗菌薬
・結核の診断・治療
・人工呼吸器の設定
などなど。内容としてはやや浅い感が否めないので、これだけで診療はできませんが、呼吸器内科の大枠を掴むのにはよい本だと思います。土日あれば十分に読みこなせる分量です。一読をおすすめします。
自分よりも前に呼吸器内科をローテした同僚や先輩がいれば、その人から借りて読めばOKかと思います。手元においておきたいか、と言われたら少し微妙かもしれません。僕は一応買いました。
ちなみに、姉妹書は、
・レジデントのためのやさしイイ胸部画像教室
この本については以前「胸部単純X線写真・胸部CTを読む姿勢・読み方」で取り上げました。上で紹介した「やさしイイ呼吸器教室」でも本書の一部が取り上げられていますが、舌足らずな印象が否めないので、画像について学びたいのであれば、こちらの本を別途購入したほうが良いと思います。この本も成書ではなくあくまで入門書であることに留意しましょう。その分内容は分かりやすいです。
実際の診療で役に立つのは、以下の本。
・ポケット呼吸器診療2017
この本はやや無機質・羅列的な本で通読には向きませんが、実際の処方やCOPDや肺がんの病期分類など、実務上役に立つ情報が集約されています。いわゆるレジデントマニュアル的な位置づけ。しかもお財布に優しいお値段です。
お金が足りないなら、この1冊だけ買って、上の二冊は図書館や他人から借りたらええかなぁ、と思います。
ちなみに、レジデントマニュアルもあります、、、
・呼吸器病レジデントマニュアル 第5版 2015/4/20出版
医局の本棚にあるのをぱらぱらと眺めただけです。この本もきっと悪い本ではないのだと思いますが、2015年に出版された本で特に分子標的薬に関する知見がやや古いおそれがあります。ニボルマブ(オプジーボ)など日進月歩なテーマに関してのupdateは上で挙げた「ポケット呼吸器診療2017」の方が毎年改訂している分しっかりしていると思います。ちなみにレジデントマニュアルはお値段も高いです。。。
個人的な感想をうだうだ書いてきましたが、好みは人それぞれなので、とりあえずは先輩に借りてみて気に入ったら買う、という流れがベストやと思います。ご参考までに。。。
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