投稿日:2017-10-25 更新日:
救急外来で対応に苦慮する疾患の1つに皮膚疾患があります。
実際問題、救急外来で対応を求められる、命に関わりうる皮膚疾患は薬疹が多いのかな、と思うのですが、ヤケドや帯状疱疹の患者さんも時々来られます。なんせ痛いですからね。
ヤケドで水疱がたくさんできてしまった!どうにかして欲しい!!
と言って来られた患者さんには、
- 破れてしまった水疱にはアズノール軟膏などでドレッシングをする(容易に破れそうな水疱は破いてしまってドレッシングすることも)。
- 破れなさそうな水疱は、水疱内の体液そのものが「天然のドレッシング」だから、破かないように指導する。
- 経口の鎮痛薬を処方する。
あたりの処置をすれば良いのかなぁ、と思います。
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それはさておき、ふと、ヤケドに起因するactiveな炎症があるなら、ステロイドを塗ったら治りが早くなるのかなと思いました。でも感染を合併してたらイヤやし、ステロイドで創傷治癒遅延しちゃうこともあるからなぁ。。。
と思ってステロイド軟膏の代表格『リンデロンVG軟膏』の添付文書を眺めていると、、、
『リンデロンVG軟膏:添付文書』
http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/2647709M1102_1_13/
潰瘍(ベーチェット病は除く),第2度深在性以上の熱傷・凍傷[皮膚の再生が抑制され,治癒が遅延するおそれがある。]
とのことです。第2度深在性以上の熱傷だと、さすがに皮膚科・形成外科callとすることが多いので、間違った処方をすることはないと思いますが、1つ勉強になりました。
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以前、ステロイド外用薬のランクについて記事にしてみました。市販薬にも弱いながらもステロイド含有軟膏はたくさんあり、救急外来受診される前に既に患者さん自身で使っておられることも多いです。
ステロイド外用薬の分類 市販薬はどのくらいの強さ?
ステロイド外用薬の使い所は難しいなぁ、と思います。もちろん明らかな感染兆候があったら使いませんが、その「感染兆候」が見ても分からないことも。。。
よくわからない掻痒疹を主訴に来られると、対処的に安易にステロイド外用薬を処方しがち。ここは抗ヒスタミン外用薬あたりで我慢していただいて、後日皮膚科受診をお願いするのスマートなのかなぁ、と自戒した次第です。
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ちょくちょく火傷する仕事(病院の材料室で器材の滅菌しています)なので、リンデロンVG軟膏は職場に常備してます。水で冷やすのでは効果がなく、強力な保冷剤で冷たさで痛くなるくらい冷やしてからリンデロン塗るのが今までで1番効果を感じられたので、ずっとそうしてました。
深い火傷にはダメなんですね(-。-;今後火傷が深そうな時にはすぐに皮膚科受診できるような体制にしたいです。