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心エコーでよく使う略語・正常値

falco / Pixabay

心エコー検査は略語のアルファベットが多く、苦しむことが多いです。

略語と基準値をまとめてみたのでご参考までに。自分自身へのための備忘録でもあります。

 

定評のある参考書は↓の本です。研修医の先輩や技師さんにおすすめされました。医学書にしてはそこまで高くないので、1冊あると便利かもしれません。

 

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Contents

LVDs/d Left Ventricular Dimension (systole/diastole) 左室収縮/拡張末期径

LVDd 30-55mm程度 LVDs 20-30mm程度が正常。

 

IVST InterVentricular septum thickness 心室中隔
PWT left ventricular Posterior Wall Thickness 左室後壁厚

いずれも12mm以下。だいたい同じ大きさ。13mmを超えてくると左室肥大疑い。肥大型心筋症や慢性心不全による心肥大など。

 

FS Fractional Shortening 左室径短縮率

FS= ( LVDd – LVDs ) / LVDs × 100 [%] で計算する。0.30以上が正常。

 

EDV End-Diastolic Volume 拡張末期容量
ESV End-Systolic Volume 収縮末期容量

Simpson法などによって計算。最近は3D心エコーも登場してきており、より正確に計測できるようになってきているらしい。個人差が大きく一概に正常値は言い難いが、EDV 90 -140mL、ESV 30 – 95 mLくらい。

 

SV Stroke Volume 一回心拍出量

SV = EDV – ESV で計算する。60〜130mm程度が正常値。アスリートだともっと大きくなる。

 

EF Ejection Fraction 駆出率

EF = ( SV / EDV ) × 100 [%] = ( EDV – ESV  / EDV ) × 100 [%] で計算する。

50%を切ると心機能低下があると評価する。

 

LAD Left Atrial Dimension 左房径

40mm以下が正常。超えてくるとMRやMS、右→左シャントなど左房負荷がかかる疾患があるかもしれない。厳密には LAD / AOD 比が1.2以上になった場合を左房拡大ととるらしい。PADの重症度判定に用いられる。

 

RVD Right Ventricular Dimension 右房径

35mm以下が正常。あまり計測されることはない。超えてくると、肺高血圧や左→右シャントなど右房負荷がかかる疾患があるかもしれない。

 

AOD Aortic dimension 大動脈径

35mm以下が正常。超えてくると実は瘤があるかもしれないので注意。胸部Xpで左第一弓が突出してないかチェック。

 

IVC Inferior Vena Cava 下大静脈径

呼吸性変動がみられる。呼気時に20mm以下が正常。吸気時にはだいたい16mm以下になる。全身の血管内volumeの目安となる。熱中症などで脱水になるとIVCは虚脱する。また心不全となると呼吸変動が消失する。

 

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大動脈弁に関して

PPG Peak Pressure Gradient 最大圧較差

大動脈圧と左室圧の差のうち最大のもの。簡易ベルヌーイ式で計算することも。40mmHgを超えると重症AS。手術適応となる。手術できないことも多いが。。。

 

AVA Aortic Valve Area 大動脈弁弁口面積

大動脈の弁口面積。1cm2以下となると重症AS。手術適応となる。手術できないことも多いが。。。

 

三尖弁に関して

TR-PG TRicuspid Pressure Gradient 三尖弁圧較差

三尖弁前後の右房・右室の圧較差。TR-PGの最大値が肺動脈圧と相関すると言われており、PAHの診断に有用ではないかとも言われている。

 

とりあえず日常でよく使うのはこんなもんでしょうか。間違いなどがあったら教えていただけるとありがたいです。

 

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