のび太の研修医日記

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おたふくかぜによる難聴がこの2年で300人以上いるらしい

投稿日:2017-09-07 更新日:

 

今朝のNHKニュースでこんなことが話題になってました。

『おたふくかぜで難聴 2年間で314人に上る』

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170905/k10011127941000.html?utm_int=news_contents_news-movie_001&movie=true

医療関係者向けのサイトでも話題となっています。

『「この2年」でムンプス難聴336人』

https://www.m3.com/clinical/news/555680

なぜか人数が微妙にNHKとm3で違うのが気になりますが、ニュースの趣旨は同じです。

おたふくかぜの合併症として有名な感音性難聴になった人がここ2年間で300人を超えてしまったそうです。耳鼻咽喉科学会が9月5日に記者会見を行い、全国ニュースになりました。

 

おたふくかぜは侮ることのできない疾患

おたふくかぜは正式には流行性耳下腺炎と呼ばれる、ムンプスウイルスによって引き起こされる疾患です。

医学生的には、

ムンプスといえば、

潜伏期:2〜3週間

症状:発熱・耳下腺炎

検査:血清・尿中アミラーゼ上昇

合併症:無菌性髄膜炎精巣炎膵炎、一側性の感音難聴

治療:対処療法のみ

※唾液腺腫脹が出現した後5日経過し、全身状態がよくなるまでは出席停止。

あたりをキーワードとしておさえとけば、きっと国試は大丈夫です。

めったにないことですが、髄膜炎になればけっこう大変ですし、両側精巣炎になれば不妊の原因にもなりますし、意外と侮れない疾患です。

 

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ワクチン接種は以前は定期接種だったが、現在は任意接種

ワクチン接種は1993年までは定期接種だったそうです。

以前定期接種されていたのは、三種混合ワクチン (MMRワクチン)と呼ばれるもので内訳は、

M: Mumps ムンプス(おたふくかぜ)

M: Measles 麻疹(はしか)

R: Rubella 風疹(三日ばしか)

でしたが、生ワクチンのため、先述した無菌性髄膜炎になってしまう患者さんが出てしまい、任意接種に変わったみたいです。

MRワクチン(麻疹・風疹混合ワクチン)は、現在でも定期接種ですが、ムンプスワクチン(おたふくかぜのワクチン)は任意接種、つまり自費での接種となっています。そのため、接種率は30〜40%にとどまっているそうです。

 

定期接種にすることが検討されている

先述の通り、ここ数年難聴になってしまう患者さんが増えてしまっているため、再度ムンプスワクチンを定期接種化することが検討されています。

ムンプスワクチンの定期接種化に向け検討を
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/201704/550941.html

 

ワクチン接種に伴う無菌性髄膜炎との兼ね合いが問題になるでしょうか。

僕個人の意見ですが、難聴は一生治ることのない病態であることを考えると、

ワクチン接種による無菌性髄膜炎のリスク

流行性耳下腺炎の発症・それに伴い感音性難聴になるリスク

を比較した際に、後者のほうがより重篤なため、ワクチン接種のメリットは高いのではないかと愚考します。

接種するかどうかは最終的には親御さんの判断になりますが、個人的には定期接種化するといいなぁ、と思います。

 

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